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おいしいNEWS TOPへもどる食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【2】『11ぴきのねことあほうどり』のコロッケ
「子どものころに読んだ絵本の、あのおいしそうな食べものが忘れられない」という記憶がある人も多いのでは? そこで、プロの料理家に魅力的な食べものが出てくる思い出の絵本について語ってもらい、そのレシピを再現していただきます。
第2回目の登場は魚屋三代目さん。親子で愛読している「11ぴきのねこ」シリーズから、ねこたちの作るおいしそうなコロッケが印象的な絵本をセレクト。絵本からインスパイアされた、あほうどりの丸焼き形のコロッケレシピも必見です!
『11ぴきのねことあほうどり』
馬場のぼる/著 こぐま社
ねこたちがコロッケ屋をはじめますが、毎晩、売れ残ったコロッケを食べてうんざり。鳥の丸焼きが食べたいと願っていると、あほうどりが現れて……。ユーモラスな展開とともに、きつね色に揚がったおいしそうなコロッケが子どもたちを魅了します。
魚屋三代目さんの絵本の思い出
私が通っていた保育園では、毎月絵本を販売しており、母がよく購入していました。その中でうっすらと記憶に残っていて懐かしく、子どもに読み聞かせた絵本が「11ぴきのねこ」シリーズ。とくに、『11ぴきのねことあほうどり』は、シンプルながらおいしそうなコロッケの描写と絵が印象的です。
そして、欲深く、浅はかだけれど憎めないキャラのねこたちが愛らしい。結局は思惑通りにはいかず、大変な思いをすることになるのですが、「ほら、そうなった」と笑えてしまう、ほんわかするお話です。
今回改めて読み返し、「ねこたちの店で売っていたじゃがいもだけのコロッケは、ねこが食べてはいけないたまねぎを抜いているのは意図的なのかな? 欲深いねこたちなので、ほかの具材を入れるとコストがかかるから入れなかったのか? だからすぐ飽きられて毎日売れ残ってしまったのかな?」などと、想像が次々とわいてきました。
コロッケは2種をご紹介。じゃがいもだけのコロッケと、ねこたちが夢見ていた、あほうどりの丸焼きの形をイメージしたコロッケです。洗えるタイプのバスケットなどに野菜と一緒に盛り付けると、特別感があってお子さんも喜ぶと思います。
コロッケの材料(6個分:じゃがいもだけのコロッケ、あほうどりの丸焼き形のコロッケ各3個分)
・手羽中(半分にカットされたもの) 6本
・塩こしょう 適量
・じゃがいも(男爵など) 500g
・鶏ひき肉 100g
・たまねぎのみじん切り 1/4個分
(A)
・塩 ふたつまみ
・砂糖 ひとつまみ
・こしょう 少々
・バター 5g
・固形コンソメスープの素(チキン味) 1個(7g)
・サラダ油 大さじ1
・薄力粉、溶き卵、パン粉(細目) 各適量
・揚げ油 適量
(付け合わせ)
・キャベツのせん切り、好みの葉野菜、ミニトマト 各適量
作り方
(1)手羽中をチューリップ状にします。骨の太いほうにキッチンばさみで1〜2㎝の切り込みを入れ(写真a)、骨についている身や皮を切り離します(写真b)。切り込みのないほうを下にして立てるようにまな板に置き、骨に沿って指で肉をそぐように押し込み(写真c)、チューリップ形にととのえます(写真d)。
(2)(1)に軽く塩こしょうをふり、180℃の揚げ油で素揚げにし、よく油をきっておきます。スープの素はポリ袋などに入れ、すりこ木でたたいて粉末状にします。
(3)フライパンにサラダ油を熱し、たまねぎを入れて透明になるまで炒めます。ひき肉を加えてさらに炒め、色が変わったら(A)を加えて炒め、全体になじませます。
(4)じゃがいもは皮をむいてひと口大に切り、鍋に入れてかぶるくらいの水を注いで火にかけ、竹串がスッと通るくらいまでゆでてざるにあげます。鍋の湯を捨ててじゃがいもを戻し入れ、中火から弱火でころがしながら加熱し、水分をとばします。
(5)鍋を火からおろしてじゃがいもをマッシャーなどでつぶし、スープの素を加えてよく混ぜ合わせます。
(6)(5)が熱いうちに半分に分け、半量は3等分にして小判形に成形します。残り半量は(3)に加えてよく混ぜ、3等分にし、(2)の手羽中2つずつを包み込むようにして「あほうどりの丸焼き」の形にととのえます(下記写真参照)。
(7)(6)に薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけ、170℃に熱した揚げ油で、たまに上下を返しながらきつね色になるまで3分ほど揚げ、油をよくきります。バスケットなどにワックスペーパーを敷き、好みの葉野菜、キャベツを盛ってコロッケを並べ、ミニトマトを添えます。
あほうどりの丸焼きをイメージして成形
ベーコンソテーや数種のソースを添えても
牛挽き肉のクリームコロッケ
子どもから大人まで人気のクリームコロッケ。濃厚なビーフシチューのソースを合わせて召しあがれ。
PROFILE:魚屋三代目(本名・柳田昇)
厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚の簡単料理や魚のおろし方をていねいに紹介するブログ「魚屋三代目日記」が人気。料理家としても書籍や雑誌、テレビなどで幅広く活躍し、日々魚のおいしさを発信し続けている。(編集/ワン・パブリッシング)