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食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【3】『にんぎょの いちごゼリー』のうみいちごのゼリー

食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【3】『にんぎょの いちごゼリー』のうみいちごのゼリー

読書の秋にぴったりの、親子で作って、食べて楽しめる絵本の中のおいしいレシピを、料理のプロが紹介するシリーズ。
第3回目となる今回は、お菓子研究家の下迫綾美さんが、ストーリーも絵も大好きな本、『にんぎょの いちごゼリー』に登場する青い海色のゼリーを再現します。いちごのソースをかけるとゼリーの色が青から紫に変わる夢のようなデザートレシピを、絵本への熱い想いとともにうかがいました。

『にんぎょの いちごゼリー』

『にんぎょの いちごゼリー』

末吉暁子/作 黒井健/絵 フレーベル館

人魚のチッチはゼリー作りが得意。青い海の色をした「うみいちご」で作るゼリーがおいしいと評判に。大勢のお客さんが船でやってきたから大忙し!
かわいらしい絵とともに展開する、夢いっぱいのワクワクするストーリーにどんどん引き込まれていきます。

下迫綾美さんの絵本の思い出

下迫綾美さんの絵本の思い出

小学生のころ、学校の図書館で出会った絵本です。女子に大人気で順番待ちをしてやっと借りて……。ストーリーもほのぼのとしていてイラストもかわいくて、読んでほんわかした気分になり、図書館に返すのが惜しいくらいでした。
人魚のチッチがうみいちごのゼリーを作るシーンが印象に残っていて、「青い色のいちごのゼリーなんて作れるのかな? 食べてみたいな……」と、未知の食べものにあこがれ、味を想像していました。うみいちごのゼリーというネーミングのセンスにもキュンとしていました。私はいちごが好きでお菓子にもよく使いますが、この本の影響もあるのかもと思っています。
ゼリーを再現するにあたり、きれいな透明感のある海のブルーと、やさしい甘さにこだわりました。海に住む人魚が作るということで、ゼリーの凝固材には植物性の寒天を選び、自然なブルーでナチュラルな風味のハーブティー(バタフライピーティー)を使いました。寒天で作る、透明感のあるブルーの色がきれいなので、ガラスの器を選ぶとゼリーの美しさが引き立ちます。

うみいちごのゼリーの材料(容量130mlの器4個分)

(ゼリー)
・水 400ml
・バタフライピーの茶葉 ティースプーン山盛り4杯(またはティーバッグ2袋)
・砂糖 20g
・粉寒天 1g

(うみのいちごソース)
・いちご 3粒
・はちみつ 大さじ1と1/2
・レモン汁 大さじ1と1/2

(飾り用)
・バタフライピーの茶葉、好みのハーブ 各適量

※バタフライピーはマメ科の植物で、鮮やかな青い花の形が蝶に似ていることが呼び名の由来です。ポリフェノールがたっぷりで美容面でも注目され、タイではハーブティーなどで親しまれています。

作り方

(1)鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら茶葉を入れて火を止め、ふたをして5分蒸らします。茶こしでこし、スプーンで茶葉を押さえてこしきり、380mlとります(足りない場合は水を足す)。
(2)あいた鍋に(1)、砂糖、粉寒天を入れ、火にかけてゴムべらなどで混ぜながら沸騰させます。少し火を弱め、ふつふつと沸騰させながら1分30秒ほど混ぜて寒天を溶かします。
(3)器に入れ(耐熱性の器以外は粗熱が取れてから入れる)、粗熱が取れたらラップをかけ、冷蔵庫に入れて冷やし固めます。
(4)「うみのいちごソース」を作ります。ボウルに角切りにしたいちご、はちみつ、レモン汁を入れて混ぜます。
(5)(3)にバタフライピーの茶葉、好みのハーブを飾り、(4)をかけて混ぜながらいただきます。

寒天は完全に煮溶かすのがポイント

寒天は完全に煮溶かすのがポイント

寒天はしっかり煮溶かさないと固まらないので注意しましょう。バタフライピーティーと粉寒天を混ぜながら煮立てたら、火を弱めてさらに混ぜながら加熱し、完全に溶かします。寒天は固まる温度が高く、40~50℃で固まってしまうので、耐熱性でない器の場合は、粗熱が取れたらすぐに器に入れてください。

ソースをかけると、ブルーのゼリーが薄紫色に変化

ソースをかけると、ブルーのゼリーが薄紫色に変化

ゼリーに「うみのいちごソース」をかけてかき混ぜると、バタフライピーの色素がソースのクエン酸に反応し、青から薄紫に変わります。絵本の表紙の海のグラデーションが再現できるソースなので、食べるときの楽しさも2倍に。体にやさしく、うっとりするような美しいゼリー。作り方はシンプルなので、子どもと一緒に作って、食べて、絵本の世界に浸ってみてはいかがでしょう。

PROFILE:下迫綾美
 菓子研究家。都内洋菓子店で修業後、独立。雑誌や書籍などでのレシピ開発、お菓子教室、外部クッキングスタジオでの講師などを行い、パティシエの経験を生かした見た目の美しいお菓子を家庭でも作りやすいレシピにして提案。著書も多い。近年は体にやさしい材料を使ったおいしいスイーツ作りを研究中。(編集/ワン・パブリッシング)

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