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食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【4】『おばけのてんぷら』のてんぷら

食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【4】『おばけのてんぷら』のてんぷら

プロの料理家に、思い出の絵本と、その中に出てくる食べもののレシピを再現していただくシリーズの第4回目。
料理研究家の大橋由香さんが選んだ絵本は、子どもたちに大人気で、世代を超えて読み続けられているベストセラー、『おばけのてんぷら』です。絵本の中で、くいしんぼうの「うさこ」がおいしそうなてんぷらをたくさん作りますが、ここでは大橋さん流にアレンジし、忙しいママたちでも簡単に、失敗しないで作れるてんぷらレシピを紹介します。

『おばけのてんぷら』(ポプラ社刊)

『おばけのてんぷら』(ポプラ社刊)

作・絵/せな けいこ

うさこはこねこくんのお弁当に入っていたてんぷらを見て、自分でも作ってみることに。においに誘われたおばけが忍び込んできて……。楽しいストーリー展開、チャーミングなキャラクター、そしておいしそうにてんぷらを食べるうさこの表情がたまりません!

大橋由香さんの絵本の思い出

大橋由香さんの絵本の思い出

子どものころは、おいしそうなおやつやパン、料理など、食べものが出てくる絵本をよく読んでいました。振り返ってみると、そのころから食に興味があったんだなと思います。また、せなけいこさんの、ユーモアたっぷりのストーリーと温かみのある貼り絵が大好きで、子どもにもせなさんの絵本を読んであげていました。
中でも、お気に入りなのが『おばけのてんぷら』です。てんぷらがとてもおいしそうで、お話も笑いあり、少しだけおばけの怖いところもあり、最後にオチもちゃんとある(笑)。いま読んでも、とてもおもしろい絵本です。
お魚、にんじん、おいもやたまねぎなどたくさんの食材が出てきますが、再現レシピでは火の通りを気にせず、さっと揚げるだけでOKの豚こま切れ肉とピーマンを選びました。ピーマンは包丁を使わなくても手でちぎれますし、豚こま切れ肉はそのまま使えるので手早く作れ、洗いものも減るので忙しいママにもうれしいレシピです。てんぷらの衣には、小麦粉や卵は使わず、米粉と炭酸水を使いました。ぐるぐる混ぜても失敗せず、カリッとおいしいてんぷらが作れます。

豚肉とピーマンの米粉てんぷらの材料(2人分)

・豚こま切れ肉 200g
・塩 小さじ1/2
・青のり 小さじ1

・ピーマン 2個

(A)
・米粉 50g
・炭酸水 100ml

・米粉 大さじ1
・揚げ油 適量

作り方

(1)豚肉は塩と青のりをまぶして12等分に丸めます。ピーマンはへたを親指で押し込み、半分に割って種を取り、さらに半分にさきます。
(2)(A)をボウルに入れて菜箸で混ぜます。
(3)(1)に米粉大さじ1を茶こしなどで薄くまぶします。(2)にくぐらせ、180℃に熱した揚げ油で豚肉は2分ほど、ピーマンは30秒ほど揚げます。器に盛り、好みでカレー塩(カレー粉小さじ1/3、塩小さじ1を混ぜる)などをつけていただきます。

米粉+炭酸水の衣でカリッとした天ぷらに

米粉+炭酸水の衣でカリッとした天ぷらに

小麦粉を使った衣は、グルテンの性質上、混ぜすぎたり、水がぬるかったりすると粘りが出てべちゃついてしまいますが、グルテンを含まない米粉を使えばその心配はありません。また、炭酸水を使うと揚げているときに炭酸ガスが加熱されて衣の内側からも火が入り、水分が抜けてカリッと仕上がります。ちなみに、揚げものをするときは、深さのある小さめの鍋を使うと少ない油で上手に揚げられます。

ピーマンが嫌いな子どもには揚げものにするのがおすすめ

ピーマンが嫌いな子どもには揚げものにするのがおすすめ

ほろ苦く、特有の青臭さのあるピーマン。子どもが苦手な野菜の代表格ですが、揚げものにすると苦味やにおいがやわらぎ、食べやすくなります。子どもはカレー味が好きなので、カレー塩を添えると喜んで食べてくれるかな?と思います。

PROFILE:大橋由香
 料理研究家。「ストウブビストロはるひごはん」オーナー。調理学校を卒業後、フレンチレストランなどで経験を積む。結婚、出産を経て2010年にブログ「はるひごはん」を開始。2014年に「パン食堂はるひ」をオープンし、2017年に現店を移転オープン。ストウブ鍋と地元の厚木野菜を使った体にやさしい料理を提供している。著書も多く、企業のレシピ開発、メディアでのレシピ紹介など幅広く活躍。(編集/ワン・パブリッシング)

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