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おいしいNEWS TOPへもどる家庭用オーブンで楽しめる陶芸にチャレンジ!【5】残りの粘土と自由な発想で作る箸置き2種
平皿やマグカップなどのうつわの作り方を紹介しましたが、カットした際にどうしても余りの粘土が出てしまいます。そこで今回は、残った粘土を活用した箸置きの作り方を酒井先生に教えていただきました。年長組程度のお子さんでも楽しめるクッキー型を使った箸置きに加え、工程は複雑なものの出来あがりの美しさに感動する市松模様の箸置きと、難易度の異なる2種類の作り方をご紹介します。
子どもの発達に良いといわれる粘土遊び同様、集中力を必要とする陶芸は魅力的な遊びだと思います。「うちの子はテレビゲームにばかり夢中で…」といった親御さんの話を聞きますが、「今度のお休みの日は、オーブン陶芸を一緒にやってみない?」と新しい遊びの提案をしてみてください。きっと夢中になって楽しんでくれるはずです。わたしたちが子どものころに楽しいと思ったことは、時代が変わったとしてもその楽しさは変わりません。粘土遊びの延長で、まずは簡単な箸置き作りにお子さんと挑戦してみてはいかがでしょうか。
材料・道具< 4 cm×3.2cmのアイスボックスクッキー風箸置き 複数個>
・黒のオーブン陶芸用粘土 1/4個〈※1〉
・ピンクのオーブン陶芸用粘土 1/4個〈※3〉
・6mmの厚さのたたら板 2枚(6mm厚の板で代用可)〈※4〉
・針金〈※5〉
・めん棒
・綿布
・スポンジ
・定規
・カッター
・(オーブン陶芸用コーティング剤〈※6〉、筆)
材料・道具<型抜きクッキー風箸置き 複数個>
・ベージュのオーブン陶芸用粘土 1/4個〈※2〉
・6mmの厚さのたたら板 2枚(6mm厚の板で代用可)〈※4〉
・めん棒
・綿布
・スポンジ
・クッキーの型
・筆
・好みの色のアクリル絵具
・(オーブン陶芸用コーティング剤〈※6〉)
※オーブン陶芸用粘土・コーティング剤は画材店やクラフトショップに加え、インターネットでも購入可能です。その他の道具は、100円ショップの商品や自宅にある身近なもので代用できます。
アイスボックスクッキー風箸置きの作り方
(1)綿布の上にピンクと黒の粘土を置きます。粘土の両端にたたら板を置いたら、めん棒で均一な厚さになるよう延ばします。
(2)ピンク・黒の粘土ともに、3.5cm×8cmの長方形にカッターで切り取ります。
(3)写真のように、8mm幅となるようカッターで切ります。
(4)3をピンクと黒が交互になるよう横5列・縦4列に組み立てます。組みあがったらたたら板を置き、針金をたたら板に沿って滑らすようにしてカット。側面や角を、水で濡らしたスポンジや指で滑らかになるように整えます。3〜5日間風通しのいい日陰で乾燥させ、その後170〜180度のオーブンで約15分焼きます。
※光沢感が欲しい場合はコーティング剤を。素焼きの風合いを楽しみたい場合は、コーティング剤は必要ありません。
※温度調節が可能なオーブンもしくはトースターを使いましょう。電子レンジでは焼くことができません。焼く工程は親御さんが一緒に行いましょう。
型抜きクッキー風箸置きの作り方
(1)綿布の上に粘土を置きます。粘土の両端にたたら板を置いたら、めん棒で均一な厚さになるよう延ばします。
(2)クッキー型で抜きます。切り口を水で濡らしたスポンジや指で滑らかになるように整えたら、3〜5日間風通しのいい日陰で乾燥させます。
(3) 170〜180度のオーブンで約15分焼きます。
(4)やけどをしない温度にまで冷めたら、アクリル絵具で色を塗ります。
※光沢感が欲しい場合はコーティング剤を。素焼きの風合いを楽しみたい場合は、コーティング剤は必要ありません。
※温度調節が可能なオーブンもしくはトースターを使いましょう。電子レンジでは焼くことができません。焼く工程は親御さんが一緒に行いましょう。
スタンプをポンと押して簡単装飾
型抜きクッキー風の箸置き作りは、小さなお子さんでも楽しめる易しいオーブン陶芸です。延ばした粘土をクッキー型で抜くだけでも楽しいですが、手持ちのスタンプをプラスすると、さらに違った表情に。
同じ模様のスタンプをポンポン押すだけで連続模様がつけられるほか、写真のような文字スタンプを使えば名入れも簡単です。粘土に穴を開けて紐を通すとネームタグに、裏側に安全ピンを取り付けるとブローチになるなど、アイデア次第でうつわ以外のものもできますよ。
完成!固定観念にとらわれない子どもの創造力を伸ばそう
わたしは親御さんが手取り足取り教えるよりも、まずはお子さんが自由に作業する姿を見守ってほしいと思っています。子ども向けの造形クラブにて陶芸を教えていたことがありますが、そのときは子どもの創造力にハッとさせられることが多々ありました。例えば「お花の形を作りましょう」と言うと、大人の場合は皆さん見本に忠実に作ろうとします。ところが、子どもの場合は見本をいい意味で無視し、自由に解釈をして発展させ、わたしが提示した見本よりいいものを作りあげてしまいます。子どもの創造力を伸ばすにはルールや手順といった固定観念にとらわれないように、お子さんの思うままに作業をさせることが大切だと考えています。もちろん、オーブンやカッターを使うといった危険を伴う作業は親御さんと一緒に行ってほしいです。しかし、粘土で形をつくる、絵をかく、といった作業であれば、親御さんは「お子さんの自由にさせる」ことに徹してみてはいかがでしょうか。
今回の型抜きクッキー風の箸置きは、シンプルだからこそ応用がきく作品のひとつです。「こんなこともできそう!」「あの方法はどうだろう?」と、見本にとらわれない作品をお子さんと一緒に作っていただければ、陶芸家として嬉しく思います。
PROFILE:酒井智子
陶芸家・東京都北区の陶芸会顧問。美術大学にて陶芸を学び、現在は自身の工房にて陶芸教室を主宰。テレビ番組や造形クラブにて、子ども向け陶芸の企画や指導を行うなど、多岐にわたり活躍中。著作に「キッチンでつくるかわいい器
はじめてのオーブン陶芸」(誠文堂新光社)など。公式Webサイトはhttp://sakaikobo.net/(編集/ランサ―ズ)