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おいしいNEWS TOPへもどる料理のプロに習う 子どもと一緒に楽しむ料理レッスン【1】[始める前に]料理の基本について教わろう!
子どもの食への興味、知的好奇心を、楽しみながら伸ばしたいと考えている方たちも多いようです。特に進級・進学のタイミングの春休みはチャンス!
そこで、親子で楽しみながら作れる料理レッスンを開催します。教えてくれるのは、料理研究家で、和食料理人の髙井英克さん。2児の父でもある自身の経験をもとに、はじめて料理をする子どもでも楽しく、おいしく作れるレシピを紹介していただきます。
最初に、料理を作る前の準備や心構え、料理の基本について教わりました。
親子で作る料理は、簡単で、楽しい作業のあるものを!
子どもと一緒に作る料理は、短時間で作れて、子どもが面白がってできる作業のあるものがいちばんです。たとえば、子どもはカレーやシチューが好きですが、たくさんの食材を使って、皮をむいたり、切ったりし、炒めてじっくり煮込むといった、さまざまな工程がある料理は、小さなお子さんの場合は少々難易度が高いです。そのため、完成までの時間が長いと途中で飽きてしまうので、一緒に作る料理としては避けたいメニューのひとつです(小学校の中高学年なら○)。大人が考える「料理」を、子どもはやりません。時間をかけない、簡単な工程の料理から一緒に作って楽しみましょう。
第2~5回目の記事では、子どもが好む味つけ、子どもが喜ぶエンターテイメント性のある料理を、選りすぐって紹介しています。加えて、アスパラガスや春キャベツ、新たまねぎ、あさりなど、春が旬の食材も取り入れました。料理を通して、親子で季節も楽しんでほしいと思います。
料理がはじめてのお子さんでも大丈夫。簡単な卵料理(第2回目)からスタートしてみてください。
料理の前に準備すること
まずは、手を洗う、エプロンをするなど、身支度を整えましょう。調理の際は、長袖の着用を。ゆでたり、煮たりする場合、やけどを防ぐことができます。ただし、強火で炒める場合は火が燃え移る恐れもあるので、袖を少しまくって作業を。
加えて、体勢や環境を整えることも大切です。作業台は片づけておき、高さが合うよう、子どもが乗って作業できる安定した踏み台を用意しましょう。
料理の食材は、事前に準備しておくと、作業がスムーズです。
調味料のはかり方や包丁の持ち方、火加減についてなど、押さえておきたい料理の基本もチェック!
●作業台は、お子さんのへその位置に合わせましょう。高い場合は、踏み台などで調整を。
大人向けの作業台は子どもにとっては高すぎて作業姿勢が不安定に。思わぬ危険を招くことも(a)
子どもが乗って作業できる、安定した踏み台を用意(b)
踏み台に乗り、大人と同じ高さで作業ができると、お手伝いも楽しんで行えます(c)
●計量スプーンの大さじ1は15ml、小さじ1は5mlです。
粉状のものは、山盛りにすくってから、別の計量スプーンの柄などですりきります(a)
液体は、スプーンのふちからこぼれないところまで入れて計ります(b)
●子どもが使う場合は、子ども用の包丁を用意。切るときは、まな板がすべらないよう、下に濡らしたタオルや布巾を敷きます(a)(私の考えでは、作業の安全性から、子どもが小さいうちは包丁を使わない作業を一緒に行い、小学校高学年くらいから使うといいと思います。)
子どもが持つ場合は、手の甲を上にし、柄の奥をしっかりとにぎります(b)
包丁を置くときは、刃を向こうに向けて、まな板の奥に置きます(c)
〈火加減について〉
●親子で、またはお子さんひとりで料理する場合は、強火は避け、中火、弱火で調理を。
中火
鍋やフライパンの底に炎の先が当たっている状態。IHなら10段階調整の場合で4~5(a)
弱火
鍋やフライパンの底に火が当たらないくらいの、弱い火加減。IHなら10段階調整の場合で2~3(b)
子どもと料理を楽しむための心構え
子どもは口が小さいので、食材は小さめに切るのもポイント。加熱時間の短縮にもつながります。加えて、食べやすいように、柔らかい食材を選ぶことを心がけましょう。
まずは料理の楽しさを伝えるため、ピーラーを使った作業や、豆をさやから出すなどの下ごしらえ、飾り付けの作業など、面白みがあって、危険を伴わない作業を手伝ってもらいましょう。
PROFILE:髙井英克
料理研究家
京都、東京・赤坂、麻布の日本料理店で修行を積み、料理研究家に。料理人としての経験と確かな知識をもとに、家庭でも作りやすくておいしいレシピを提案。主宰する料理教室では、四季折々の和の献立を中心に紹介。2人の息子をもつ父でもあり、子ども向けのレシピも得意。テレビや雑誌、書籍などでも活躍。(編集/ワン・パブリッシング)