「お肉を食べると肥満になりやすい」というのは、よくある誤解の1つです。肥満のメカニズムは非常にシンプルです。摂取カロリーが消費カロリーよりも多いと、余分なカロリーが体内に蓄積され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。食べた分よりも多くのカロリーを消費すれば、決して肥満になることはありません。ここで忘れてはならないのが、「筋肉がなければ脂肪は燃焼しない」ということです。
運動をすると、まず筋肉中のグリコーゲンが分解され、次に、体内に蓄積された皮下脂肪や内臓脂肪が燃やされてエネルギーとなります。つまり、筋肉とは「脂肪燃焼の場」であり、筋肉が十分にないと体脂肪を燃やすことができません。ダイエットしたいからといってお肉を控えるのは誤った認識です。痩せたい人こそお肉をきちんと食べて適度な運動をし、筋肉をつけることが大切なのです。
また、お肉に含まれるカルニチンには、脂肪燃焼作用があることが知られています。脂肪は「脂肪の燃焼炉」といわれる細胞内のミトコンドリアで燃やされてエネルギーに変わりますが、単独でミトコンドリアに入ることができません。脂肪はカルニチンと結合することで初めて、ミトコンドリア内に入ることができ、燃やされてエネルギーに変わるのです。カルニチンは加齢とともに体内で合成される量が減るため、お肉を食べて補う必要があります。
大人に役立つ効能
健康に欠かせないお肉の効能
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お肉全般の効能
- このコラムの内容は「肉」一般についての学術的所見であり、当社製品の効果効能ではありません。
- 東京農業大学/鈴木敏郎名誉教授の監修を得てエバラ食品工業株式会社が制作しました。
- 監 修
- 東京農業大学 名誉教授
鈴木 敏郎(すずき としろう)先生
プロフィール
- 1980年3月
- 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士後期課程)修了(農学博士)
- 1981年4月
- CSIRO(オーストラリア)食品化学部門食肉研究所へ2年間留学
- 1983年4月
- 東京農業大学農学部総合農産加工実習所助手
- 2003年4月
- 東京農業大学応用生物化学部食品加工技術センター教授
- 2007年4月
- 東京農業大学農学部畜産学科教授へ所属変更
- 2012年4月
- 東京農業大学農学部 学部長
- 2016年3月
- 東京農業大学退職
- 4月
- 東京農業大学名誉教授 現在に至る
著書:食品加工技術概論(共著)、食肉・肉製品の科学(共著) 他
2019年4月現在