鉄分が不足すると、運動機能、体温保持機能、免疫機能、子どもの知能、コラーゲンの合成機能が低下することが知られています。特に、子どもの場合は、鉄分の不足により脳の発達に支障をきたすこともあるので注意が必要です。
脳の成長スピードは速く、3歳児の脳重量は既に大人の脳重量の約8割に達します。こうした脳の成長を支えているのが鉄分です。鉄分が不足すると、脳の神経細胞ネットワークの接合部であるシナプスの成長が阻害され、脳の情報伝達がうまく働かなくなります。2歳以下の子どもの場合、鉄分が不足した状態が3ヶ月以上続くと、認知能力や運動能力、社会性、情緒の発達などに支障が出るといわれています。
このように、脳の成長に欠かすことのできない鉄分ですが、食品中の鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄はお肉や魚などの動物性食品に、非ヘム鉄は小松菜やほうれん草などの植物性食品に多く含まれています。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高いため、非ヘム鉄に比べて効率よく体内に吸収されます。ヘム鉄が豊富な食品としては、レバーや赤身のお肉、しじみなどがあります。
健康に欠かせないお肉の効能
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お肉全般の効能
大人に役立つ効能
- このコラムの内容は「肉」一般についての学術的所見であり、当社製品の効果効能ではありません。
- 東京農業大学/鈴木敏郎名誉教授の監修を得てエバラ食品工業株式会社が制作しました。
- 監 修
- 東京農業大学 名誉教授
鈴木 敏郎(すずき としろう)先生
プロフィール
- 1980年3月
- 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士後期課程)修了(農学博士)
- 1981年4月
- CSIRO(オーストラリア)食品化学部門食肉研究所へ2年間留学
- 1983年4月
- 東京農業大学農学部総合農産加工実習所助手
- 2003年4月
- 東京農業大学応用生物化学部食品加工技術センター教授
- 2007年4月
- 東京農業大学農学部畜産学科教授へ所属変更
- 2012年4月
- 東京農業大学農学部 学部長
- 2016年3月
- 東京農業大学退職
- 4月
- 東京農業大学名誉教授 現在に至る
著書:食品加工技術概論(共著)、食肉・肉製品の科学(共著) 他
2019年4月現在