「お酒を飲むときは、動物性たんぱく質のおつまみを食べるとよい」といわれます。その理由は、動物性たんぱく質には、肝臓のアルコール分解能力を高める働きがあるからです。飲酒によって体内に入ったアルコールは肝臓にあるアルコール分解酵素の働きで分解されますが、この過程で「アセトアルデヒド」という有害な物質が生成されます。お酒を飲みすぎると二日酔いになるのは、肝臓がアセトアルデヒドを処理しきれなくなり、体内に残ってしまうためです。
よく、「日本人は欧米人よりお酒が弱い」といわれますが、これは欧米人よりも日本人のほうが、アルコール分解酵素が少ない人が多いためです。このアルコール分解酵素を活性化してくれるのが、たんぱく質に含まれるアミノ酸です。このため、お酒と一緒に動物性たんぱく質のおつまみを食べると、二日酔いになりにくいと考えられています。
また、アルコールの分解には、ビタミンB1がアルコール分解酵素の働きを高める重要物質です。このビタミンB1を豊富に含む食材の1つに、豚肉があります。豚肉を使ったおつまみとしては、生ハムなどがおすすめですが、豚肉にニラやニンニク、玉ねぎなどを組み合わせると、ビタミンB1の吸収力が高まります。このほか、餃子、生姜焼き、キムチ鍋などもおすすめです。
とはいえ、お酒のおつまみは高カロリーなものが多いので、食べ過ぎには要注意。お酒もおつまみも、適量を心がけたいものです。
大人に役立つ効能
健康に欠かせないお肉の効能
記事一覧
お肉全般の効能
- このコラムの内容は「肉」一般についての学術的所見であり、当社製品の効果効能ではありません。
- 東京農業大学/鈴木敏郎名誉教授の監修を得てエバラ食品工業株式会社が制作しました。
- 監 修
- 東京農業大学 名誉教授
鈴木 敏郎(すずき としろう)先生
プロフィール
- 1980年3月
- 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士後期課程)修了(農学博士)
- 1981年4月
- CSIRO(オーストラリア)食品化学部門食肉研究所へ2年間留学
- 1983年4月
- 東京農業大学農学部総合農産加工実習所助手
- 2003年4月
- 東京農業大学応用生物化学部食品加工技術センター教授
- 2007年4月
- 東京農業大学農学部畜産学科教授へ所属変更
- 2012年4月
- 東京農業大学農学部 学部長
- 2016年3月
- 東京農業大学退職
- 4月
- 東京農業大学名誉教授 現在に至る
著書:食品加工技術概論(共著)、食肉・肉製品の科学(共著) 他
2019年4月現在