加齢にともない急激に知能が低下することがあります。これがいわゆる「認知症」で、80歳を超えると、その発症リスクが急激に高まるといわれています。認知症になると完治はきわめて困難ですが、最近、認知症を改善する可能性を持つ栄養素として、アラキドン酸が注目されています。
アラキドン酸はリノール酸から合成される必須脂肪酸の1つで、脳の機能を担う神経細胞の生成を促す働きがあります。高齢者やアルツハイマーの患者さんは、脳の細胞膜に含まれるアラキドン酸の量が少ない傾向にあります。また最近では、70歳を超えても神経細胞が作られることが分かってきています。
アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、お肉、魚、卵などの動物性食品から摂取する必要があります。その中でも豚レバーはアラキドン酸含量が高く、100g中に約300mgも含まれています(※1)。レバーにはアラキドン酸だけではなく鉄分(約13mg)、ビタミン類も豊富に含まれており、まさに栄養の宝庫です。レバーはくせがあるので嫌う方も多いのですが、ぜひ、おいしく食べる工夫をして、毎日の食卓に取り入れたいものです。
※1 出典:食品成分データベース
健康に欠かせないお肉の効能
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お肉全般の効能
- このコラムの内容は「肉」一般についての学術的所見であり、当社製品の効果効能ではありません。
- 東京農業大学/鈴木敏郎名誉教授の監修を得てエバラ食品工業株式会社が制作しました。
- 監 修
- 東京農業大学 名誉教授
鈴木 敏郎(すずき としろう)先生
プロフィール
- 1980年3月
- 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士後期課程)修了(農学博士)
- 1981年4月
- CSIRO(オーストラリア)食品化学部門食肉研究所へ2年間留学
- 1983年4月
- 東京農業大学農学部総合農産加工実習所助手
- 2003年4月
- 東京農業大学応用生物化学部食品加工技術センター教授
- 2007年4月
- 東京農業大学農学部畜産学科教授へ所属変更
- 2012年4月
- 東京農業大学農学部 学部長
- 2016年3月
- 東京農業大学退職
- 4月
- 東京農業大学名誉教授 現在に至る
著書:食品加工技術概論(共著)、食肉・肉製品の科学(共著) 他
2019年4月現在