国民健康・栄養調査によれば、日本人の食生活は1950年(戦後)以降、大きく変化しています。お肉や卵の消費量が増えた一方で、食塩の摂取量が減っています。
戦前の日本人の食事は質素で、お肉や卵などの動物性たんぱく質が食卓に上ることはまれでした。ごはんと味噌汁、それに梅干や漬物などの保存食といった食事がほとんどでした。戦後になると、食材の冷蔵・冷凍技術や流通システムの発達で、塩漬けをしなくても食品を安全に保存できるようになりました。これも、食塩の摂取量が減った一因と考えられます。
では、食塩の摂取量と食肉との間には、どのような相関関係があるのでしょうか。それを示す面白い実験があります。動物園の檻の中に岩塩を置いておくと、草食動物はそれを舐めに来ますが、ライオンなどの肉食獣は見向きもしないそうです。これは、お肉自体にカリウム、ナトリウムなどのミネラル分が含まれており、お肉を食べることである程度のミネラルを摂取できるためと考えられます。
今のところ、お肉の摂取量と塩分の摂取量との間にどのような相関関係があるかは、はっきりとわかっていませんが、動物園での実験結果から、お肉の摂取が減塩効果をもたらす一因になっているのかもしれません。塩分の過剰摂取を減らして、高血圧や脳卒中などの生活習慣病を予防するためにも、お肉をしっかり食べることが大切な要素の1つである、といえるかもしれません。
お肉全般の効能
健康に欠かせないお肉の効能
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大人に役立つ効能
- このコラムの内容は「肉」一般についての学術的所見であり、当社製品の効果効能ではありません。
- 東京農業大学/鈴木敏郎名誉教授の監修を得てエバラ食品工業株式会社が制作しました。
- 監 修
- 東京農業大学 名誉教授
鈴木 敏郎(すずき としろう)先生
プロフィール
- 1980年3月
- 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士後期課程)修了(農学博士)
- 1981年4月
- CSIRO(オーストラリア)食品化学部門食肉研究所へ2年間留学
- 1983年4月
- 東京農業大学農学部総合農産加工実習所助手
- 2003年4月
- 東京農業大学応用生物化学部食品加工技術センター教授
- 2007年4月
- 東京農業大学農学部畜産学科教授へ所属変更
- 2012年4月
- 東京農業大学農学部 学部長
- 2016年3月
- 東京農業大学退職
- 4月
- 東京農業大学名誉教授 現在に至る
著書:食品加工技術概論(共著)、食肉・肉製品の科学(共著) 他
2019年4月現在