たんぱく質を構成しているアミノ酸は人が生きていくうえで欠かせない栄養素の1つです。人間に必要なアミノ酸のうち、体内で十分な量を合成できず、食物から摂取しなければならないアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といいます。必須アミノ酸には、ロイシン、バリン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類がありますが、乳幼児の場合はアルギニンを加えた10種類が必須アミノ酸といわれています。
アルギニンには成長ホルモンの分泌を高めるなど、成長を促進する働きがあるため、乳幼児はアルギニンを大人以上に食事から摂取する必要があるのです。アルギニン含量の高い食品としてはお肉、卵、チーズなどがあります。また、成長促進や免疫力向上作用があるリジンも、子どもの成長に欠かせない大切なアミノ酸で、大人以上に摂取が必要です。
こうした必須アミノ酸を過不足なく補うには、アミノ酸バランスに優れたお肉や魚といった「良質のたんぱく質」を摂る必要があります。例えば、リジンはお肉や魚だけではなく、主食である米や小麦にも含まれています。しかし、牛肉(サーロイン)100gあたり1500~1900mgのリジンが含まれているのに対し、米100gあたりのリジンは220mg、小麦粉では200mg前後と、その含有量は少なく、これだけでは1日の必要量を満たしていません(※1)。したがって、子どもの健全な成長のためには、必須アミノ酸を豊富に含んだ肉類などを十分食べさせることが大切な要素の1つです。
※1 出典:食品成分データベース
健康に欠かせないお肉の効能
記事一覧
お肉全般の効能
大人に役立つ効能
- このコラムの内容は「肉」一般についての学術的所見であり、当社製品の効果効能ではありません。
- 東京農業大学/鈴木敏郎名誉教授の監修を得てエバラ食品工業株式会社が制作しました。
- 監 修
- 東京農業大学 名誉教授
鈴木 敏郎(すずき としろう)先生
プロフィール
- 1980年3月
- 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士後期課程)修了(農学博士)
- 1981年4月
- CSIRO(オーストラリア)食品化学部門食肉研究所へ2年間留学
- 1983年4月
- 東京農業大学農学部総合農産加工実習所助手
- 2003年4月
- 東京農業大学応用生物化学部食品加工技術センター教授
- 2007年4月
- 東京農業大学農学部畜産学科教授へ所属変更
- 2012年4月
- 東京農業大学農学部 学部長
- 2016年3月
- 東京農業大学退職
- 4月
- 東京農業大学名誉教授 現在に至る
著書:食品加工技術概論(共著)、食肉・肉製品の科学(共著) 他
2019年4月現在